世界遺産に登録されている「厳島神社」と言えば「大鳥居」です。
海の中に建ち、満潮と干潮によってさまざまな魅力を漂わせます。
しかしふと考えてみると、疑問に思うことがあります。
間近で見たことがある人にはわかると思いますが、大鳥居は木でできています。
それなのに潮気の厳しい海の中に建っていて、腐食して倒れたりすることはないのでしょうか。
ここでは、大鳥居の構造(高さ・重さ)などについて、お話します。
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厳島神社の大鳥居の歴史
あまり一般的には知られていないことなのですが、今現在厳島神社に建っている大鳥居は、平清盛によって建立されたと伝わっているものから数えて8代目であるとされています。
その歴史の中では風などの影響で何度も倒壊し、雷に打たれて炎上したという記録まであります。
その度に再建され、かの有名な戦国大名毛利元就によって造営されていたりもします。
やはり大鳥居は何度も倒壊していたのです。
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現在の大鳥居の構造
では、今建っているものはどうなのでしょうか。
今建っている大鳥居は明治8年、1875年に建てられたもので、高さは16.6メートル、柱間が10.9メートルの大きさとなっています。
土台は砂浜に「千本杭」という、松材の丸太を杭として綿密に打ち込んだ技法の上に、コンクリートと花崗岩によって固めてあるため、傾いたりすることのない非常に頑丈なものとなっています。
鳥居はその上に自重で建っているだけですが、重さが約60トンにも及ぶため、波や風にも倒されることがありません。
主柱はそれぞれ当時の宮崎県岡富村と香川県和田浜から切り出されたクスノキでできていて、クスノキは腐食に強く重みがあり、虫にも強いという特性を持っています。
主柱の他に4本ある控柱はスギの木材でできていて、合計6本の柱による安定した設置が、倒れない構造の一役を買っていると言えます。
また、鳥居の上部にあたる「島木」「笠木」と呼ばれる部分は箱状になっています。
その中に石が詰め込まれていて、重さを増すための助けとされています。
1950年には修理がおこなわれていて、損傷の激しい主柱2つとも根継ぎという工法によって補強されており、干潮時には地面から2メートル程度の高さにその境界線を確認することができます。
このように、倒れない構造によって再建されてから130年近くが経つ8代目ですが、数百年に及ぶ歴史から見るとまだまだ若いと言えます。
けれども老朽化はどうしても進行してゆくため、維持できなくなった時には、伝統と科学技術を駆使した工事がおこなわれると予想されます。
また、鳥居をくぐったりして、近くから見ることができますので、是非訪れてみてはいかがでしょうか。
また、満潮・干潮のどちらに行くか迷っている方は、こちらもご参考にしてみて下さい。
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