パワースポットとしても人気の日光東照宮。
中でも有名なのは、「三猿」の彫刻です。
ここでは、日光東照宮の三猿の意味や、彫刻に込められたストーリーなどをご紹介します。
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三猿の場所
そもそも、日光東照宮は、江戸幕府を作った武将「徳川家康」を大権現として祀っている場所です。
家康のお墓である奥宮へ続く道の入り口にある「眠り猫」と同じように有名なのが、「三猿」です。
三猿の場所は、鳥居から進んだ先にある表門のすぐ隣、御神馬を繋ぐ厩である「神厩舎」の扉の上です。
それぞれ目・口・耳を塞いだ猿「見ざる・言わざる・聞かざる」の彫刻として知られています。
作者と歴史
神厩舎は、家康の死後20年にあたる1636年に建てられ、そこに彫られている三猿も、同時期に作られたとされており、江戸時代から続く歴史を誇ります。
残念ながら、三猿の作者は不明であり、日光東照宮には同じように作者不明の彫刻が数多く存在します。
三猿の意味
「見ざる・言わざる・聞かざる」には、どのような意味があるのでしょうか?
これには、2つの説があります。
- 親元を離れていない内は、世の中の汚い部分や悪い部分を見たり聞いたり、言ったりしないようにという意味合い。
- 見ず・言わず・聞かずで、世の中を切り抜けるための処世術的な意味合い。
いずれにしても教育的意味を含んだ彫刻となっています。
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彫刻に込められた秘密のストーリー
この猿の彫刻ですが、実は「見ざる・言わざる・聞かざる」だけではないのです。
猿が彫られた絵は全部で8枚あり、人の一生を暗喩しています。
1枚目:子猿と母猿
1枚目には子猿と母猿の姿が彫られています。
子猿を膝元に抱きよせながら、母猿は、子猿の将来を見通すかのような表情で額に手をかざしています。
2枚目:三猿
そして、2枚目に有名な「三猿」が登場します。
3枚目:独り立ち
3枚目には複雑な表情をした猿が一匹だけ彫られ、「独り立ち」を意味しています。
4枚目:青雲の志
4枚目では猿に友人ができ、2匹で天を仰いでいます。
右の方に青い雲があり、出世しようとする高い志「青雲の志」を意味しています。
5枚目:挫折
5枚目には「挫折」が描かれています。
彫刻の下をそのまま崖っぷちとして用いる巧みな技法で、その崖から覗きこむ猿を慰める猿と、凛々しい目つきで崖の向こうを見据える猿の3匹の姿が描かれていて、挫折に立ち向かおうとする姿が描かれています。
6枚目:恋愛
6枚目からは打って変わってラブストーリーです。
雄と雌の猿が一匹ずつ彫られていますが、2匹の距離感といい、どこかぎこちない雰囲気です。
これは、「恋愛における込み入った関係」が表現されています。
7枚目:荒波
そして2匹は結ばれ、7枚目に、人生の荒波をそのまま表した青い波を、2匹で乗り越えようとする姿が描かれています。
8枚目:妊娠
そして最後、8枚目には、妊娠した猿が描かれ、1枚目へと戻ります。
こうして、一生というものが巡り巡ってゆく様を表しているのです。
一般的には「見ざる・言わざる・聞かざる」としてしか知られることがない三猿にも、彫刻に込められた深い秘密のストーリーがあるのです。
もし日光東照宮にお参りする機会があれば、ぜひこれらのストーリーを思い出しながら見てみてください。
また、日光東照宮にはパワースポットも沢山あります。
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